Integra DB8 98spec.R

購入の経緯

TYPE R.何とも言えない魅力があります.それはTYPE Rという言葉自体ではなく,その名が与えられたクルマ,NSXでありINTEGRAでありCIVICの魅力が伝わってくるからです.
ちなみに,初代NSX-RやインテグラTYPE Rが出た時点では,私はまだ小学生でした.NSXはすごいクルマだと思ってて,あこがれの対象だったのですが,インテグラなどはそんなに興味の対象にはなっていませんでしたね.もちろん,エンジンが手作業でポート研磨されててすごいらしい事は知っていましたが,本当に興味を持ち始めたのは免許を取って,就職を考えるようになってからです.折しも新型シビックTYPE R(FD2)が発売された直後で,歴代のTYPE Rが再度クローズアップされた時期でした.雑誌なんかでレーシングドライバーのインプレッションを見ても,初代インテグラTYPE Rは良かったと言っています.そんなにすごいクルマだったのか?と半信半疑だったのですが,乗ってみたいと強く思うようになったのは言うまでもありません.しかも,'00年式が出てから8年,今買わなきゃ絶対後悔すると思い,購入に至ったわけです.
もちろん,かなり割り切ったクルマですし,中古車市場でも年式が行っている方なので迷わなかったわけではありません.そんな迷いと決意をここに書いてみました.

 

「TYPE Rのコンセプトを理解しているか」

雑誌やHPをいろいろ見ていると,「かたい」「うるさい」とかネガティブなコメントがよく見られます.事実なので,読者にとってはありがたいことですし,そんなネガティブな面があっても余りある魅力があるクルマであるのは事実です.とはいえ,オーナーに,となると不安材料にならないわけではありません.
新型シビックTYPE R(FD2)が出た時に,ある雑誌の中で黒沢さんへのインタビュー記事がありました.DC5に対してかなり固いようで,街乗りには不向きだという声もありますが,という質問に対し,こんなコメントを残しています.
「それは,タイプRのコンセプトを理解していない証拠だ」

TYPE R

それは,あのスーパースポーツNSXに,さらに1g単位の軽量化,バランスの追求という,運動性能を極限まで追求したNSX-Rから始まりました.1965年F-1メキシコグランプリ優勝車RA272のスピリットを受け継ぐマシンとして,チャンピオンシップホワイトと真紅のエンブレムを携えたTYPE Rが誕生したのです.それは市販車であって市販車でない,レーシングドライバーをもうならせる過激さがありました.

そしてインテグラTYPE Rへ

NSX-Rは,確かに刺激的でドライビングプレジャーにあるれるクルマでした.しかし1,000万円というとてつもない金額では,若者にとってはただの憧れの対象でしか無かったのも事実です.
ホンダはそんな若者を見捨てたりはしませんでした.公道を走るN1と呼ばれるほどに,鍛え上げられたボディー,引き締められた足回り,そして極限までチューニングされたB18Cと,値段は安くても正真正銘TYPE Rを名乗るに十分な性能をもったマシンでした.
私の中でもいつしかホンダ,そしてTYPE Rは憧れの対象になっていました.NSXというマシンのインパクトがものすごい強かったからだと思います.

就職が決まり将来の稼ぎの目処も付いたので,いよいよクルマを買おうという段階になりました.もちろんねらっていたのはTYPE R.値段帯を考えると,DC2,DB8,EK9の3種に限られますが,インテグラの方が好みのスタイルであったのと相場が低めだったので,インテグラに絞ってクルマ探しを始めました.
いざ購入を検討して初めて,ある程度年式の行った中古車であるという以前に,TYPE Rに乗るという覚悟が必要なことも考えるようになってきていました.

極上のTYPE Rを求めて

DC2,DB8のTYPE Rは相当な数がありました.修理歴,チューニングカーを除いても,それなりに選べるレベルあります.とはいえ,走行距離が同じぐらいでも値段はばらばら.実際,事故歴があったり,ぼったくり的な値段を付けているお店もあったので,人気の車種を買うのは一苦労です.
学生なのでお金がないし,安いのを買って,2年ぐらい後にリフレッシュしようかとも考えましたが,周囲からは反対されましたね.そんな上手くいくモンじゃない,それならDC5買って長く乗ればと.
中古車探しで重要なポイントになるのがお店選びです.やっぱり安心出来るのはメーカー直系の中古車屋さん,ホンダならオートテラスとかですよね.実家から一番近いオートテラスに,DC2 96specが置いてあって見に行ったのですが,既に売れてしまっていたようでした.お店の人の話では,もうこの代のインテグラ・シビックはオークションでは仕入れて無くて,下取り車のみとのこと.しかも,この代を買うのは百万円をどぶに捨てるようなものだと・・・.
確かに,迷いました.でも,乗らないで後悔するより,乗って後悔する方がずっとすっきりするだろうと.

DB8との出会いと覚悟

それから3日後,運良く,というか良すぎるぐらいに良質の物件に巡り会うことができました.H11年式で,0.7万km,フルノーマル,140万円で車検2年付きのDB8 98spec.R.千葉のホンダディーラーだったのですが,すぐに埼玉の実家から飛んでいって契約しました.前オーナーは,趣味にしか使っていなかったようで,ちゃんと車庫保管.FD2に乗り換えるので下取りに出したようです.保証も1年ちゃんと付いてますし.まぁ,前後バンパーと右フロントフェンダーに傷があって直してるし,ホイールも状態が悪かったので,冷静に考えるとそこまで良質ではないのですが.室内の綺麗さを考えると,乗るのがもったいないくらい貴重な物件であるのは確かです.
いざオーナーになることを考えると,正直不安の方が大きかったです.プロドライバーが良いという走行性能は素人にとってはどんなマシンなのだろうかとか,本当にTYPE Rに乗る資格があるのだろうかとか.
でも覚悟はできていました.このDB8とともに成長していこうと.

そして念願のTYPE Rオーナーに.
 とても贅沢なクルマ人生の始まりです!


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